【5/15 セミナーレポート】「江戸期の5R(リデュース、リユース、リペア、リターン、リサイクル)とアップサイクル文化に学ぶ」

昨今話題の「循環型経済(サーキュラーエコノミー)」
実は、すでに江戸期の日本で実現されていたことをご存じですか?

江戸期においては、たとえば稲作ひとつにしても、刈り取った藁は筵(むしろ)や俵、藁ぶき屋根の材料、壁材、敷き藁、縄のれん、家畜の飼料、燃料として使用後、灰として肥料に用い、お米のもみ殻は、堆肥の材料、洗剤やせっけんとして、家具の艶出しワックスとして、など、モノを無駄にせず使い切る仕組みが行われていました。

ところが、大量消費社会の発展により、使い捨てがもてはやされ、結果、大気汚染、資源の枯渇など、環境問題に直面してしまいました。

そこで、“Edonomy®(エドノミ―)プロジェクト”第二弾は、「江戸期の5R(リデュース、リユース、リペア、リターン、リサイクル)とアップサイクル文化に学ぶ」について、プロジェクト代表でもある北林 功が解説しました。

■イベント概要

・開催日時:2021年5月15日(金)18:30~20:00
・開催場所:オンライン(ZOOM)
・参加費用:500円(学生無料)
・主催:COS KYOTO株式会社 /Edonomy®プロジェクト

■江戸期に循環型社会が確立された理由

江戸期に循環型社会が確立されたのはなぜでしょう。

1639年、江戸幕府はキリスト教国の人の来航、及び日本人の東南アジア方面への出入国を禁止し、貿易を管理・統制・制限した対外政策を行いました。

日本国内の資源の範囲内で暮らす中で、当時の人々は様々な工夫を凝らし、再生可能な資源を最大限に活かし、文化・経済・社会的にも高度な循環型社会を築き上げていきました。

初代駐日アメリカ合衆国総領事、タウンゼント・ハリスによる「日本滞在記」によると、「彼らはよく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない。これが恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。」「私は質素と正直の黄金時代を、いずれの他の国におけるよりも、多く日本において見出す。」ということから、この循環型社会が人々に幸福をもたらしていることがわかります。

■再生可能な資源を最大限に

では具体的にどのようなことが行われていたのでしょう。

まず、江戸期のモノづくりにおいては、「生産ロスが出ず修理しやすい設計」にしていました。

例えば着物は、再利用しやすいような縫製を施し、着られなくなったら、布団カバーや前掛け、おむつ、雑巾と再利用し、最終的には燃やして灰にして洗剤や肥料として用いていました。

また、植物の有効活用例として、竹の場合、タケノコは食料や飼料として、竹の皮は包装物として、竹は建築資材から道具として、さらには、おもちゃや楽器、武器として用いられていました。

このように江戸期の人々は、大切な資源を余すことなく土に還るまで利用していたことがわかります。

■江戸期の職人

現代においての「職人」は「モノを作り出すことを職業とする人」ですが、江戸期においては、「修理をする人」の意味合いが大きく、品物の販売とともに、修理、下取り、再生を担い、自ら街中へ出向き仕事を請け負っていたようです。

■アップサイクル文化とは

アップサイクルとは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせることです。

例えば、小布をはぎ合わせるパッチワークであったり、不要になった布を細く裂いたものを緯糸、麻糸などを経糸として織り上げた裂き織、欠けたり割れたりした器を、漆を使って修復する伝統的な技法の金継(きんつぎ)などがあります。

また、経年による微妙な色落ちやダメージに価値があるとするデニムの世界は、まさにアップグレードの代表格とも言えます。

地球温暖化という未曽有の事態に直面した我々は、大量消費社会から新しい循環型社会へ舵を切らざるを得ない状況にあります。

新しい循環型社会を築く上で、江戸期の暮らしから学ぶことはたくさんあります。

江戸期の人々が生み出した知恵や工夫を検証し、現代の高度な技術と組み合わせれば、新しい循環型社会の姿が見えてくるのではないでしょうか。

ということで、次回のセミナーを「未来へのヒントは足元に ~これからの社会に活かす江戸期の循環型経済(Edonomy)~」と題し、現代で生まれつつあるエドノミ―の仕組みの事例を交えながら“Edonomy®(エドノミ―)プロジェクト”代表の北林よりお話させていただきます。

ご期待ください。

この記事を書いた人

COS KYOTO株式会社

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