【6/15 セミナーレポート】「未来へのヒントは足元に ~これからの社会に活かす江戸期の循環型経済(Edonomy)~」

昨今話題の「循環型経済(サーキュラーエコノミー)」
実は、すでに江戸期の日本で実現されていたことをご存じですか?
江戸期においては、たとえば稲作ひとつにしても、刈り取った藁は筵(むしろ)や俵、藁ぶき屋根の材料、壁材、敷き藁、縄のれん、家畜の飼料、燃料として使用後、灰として肥料に用い、お米のもみ殻は、堆肥の材料、洗剤やせっけんとして、家具の艶出しワックスとして、など、モノを無駄にしないリサイクル・リユース(循環型経済)が行われていました。
ところが、大量消費社会の発展により、使い捨てがもてはやされ、結果、大気汚染、資源の枯渇など、環境問題に直面してしまいました。
こうした現状から、私たちは江戸期の人々の知恵や工夫を学び、自然のメカニズムのもと、最新技術を融合させていくことが地球規模の危機を回避するひとつの手段であると考え、“Edonomy®(エドノミ―)プロジェクト”をスタートさせました。
Edonomy®(エドノミ―)とは、Edo(江戸)+Economy(経済)=Edonomy®(エドノミ―)の造語です。
そして、“Edonomy®(エドノミ―)プロジェクト”第三弾は、「未来へのヒントは足元に ~これからの社会に活かす江戸期の循環型経済(Edonomy)~」と題し、現代で生まれつつあるエドノミ―の仕組みの事例を交えながら“Edonomy®(エドノミ―)プロジェクト”代表の北林よりお話させていただきました。

■イベント概要

・日程:2021年6月15日(火)18:30~20:00
・会場:オンライン(ZOOM)
・参加費:500円
・主催:COS KYOTO株式会社 /Edonomy®プロジェクト

■成長の限界

1972年、国際的な研究・提言機関〈ローマ・クラブ〉が「成長の限界」を発表しました。
将来も現在(1972年)のような人口の爆発的増加と経済成長が続いた場合には、人口、食糧生産、資源、環境などの問題を総合的に検討すると,100年以内に地球の成長は限界に達するというのがその内容でした。

こうした流れから昨今のSDGsへと繋がった経緯があります。

■リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ

リニアエコノミーとは、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄という一方通行型(リニア)の経済であり、サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、資源の無駄・遊休資産・使用可能にもかかわらず捨てられる素材等の無駄を無くしし、資源を循環させ、利益を生むビジネスモデルとして持続させるという考え方で、「成長の限界」により、後者の経済構造へ転換させようという動きが注目されています。

また、サーキュラー・デザインには6つの方法があり、具体的な事例は以下が挙げられます。

  • 安全で循環する素材を選ぶ
    →きのこから包装資材を作る(アメリカ)「Ecovative Deign」
    →ヴィーガンレザー(インドネシア)「Mylea」
    →海藻から作られる袋(イギリス)「Ooho」「Notpia」
  • 製品寿命を長くする
    →容器をできるだけ長く使う「Loop」(アメリカ)
    →ハイクオリティーの子ども靴を一定期間貸し出し「Shoey Shoes」(イギリス)
  • モジュール化する
    →部材ごとに取り替え可能な「Pentatonic」(イギリス)
  • 非物質化する
    →ご近所で貸し借りするプラットフォーム「Peerby」(オランダ)
  • 製品からサービスにする
    →ミシュランの「マイレージ・チャージプログラム」(フランス)
  • 資源を「内側の円」に留めるデザイン
    →服を使い続ける日本環境設計「BRING」(日本)

※上記各事例のサイトは以下をご参照ください。

・Ecovative Design https://ecovativedesign.com/
・Mycotech Lab https://mycl.bio/
・Notpia https://www.notpla.com/
・Shoey Shoes http://thomasleech.co.uk/shoey-shoes
・Loop https://exploreloop.com/shop/?country=japan
・Pentatonic https://www.pentatonic.com/
・Peerby https://www.peerby.com/
・BRING https://bring.org/
・進化型古着店 森 https://mori.market/

■江戸期ではすでに成熟した社会システム(循環型社会)があった

ではサーキュラーエコノミーは、目新しいものなのかといえば、そうではなく、日本においてはすでに江戸期で実現されていました。
まず、江戸期の資源においては、1~2年以内で再生し、最後は肥料となる有機物由来のものを使用していました。
また、江戸期のモノづくりにおいては、「生産ロスが出ず修理しやすい設計」にしていました。
例えば着物は、再利用しやすいような縫製を施し、着られなくなったら、布団カバーや前掛け、おむつ、雑巾と再利用し、最終的には燃やして灰にして洗剤や肥料として用いていました。
さらには、人々の糞尿は下肥(しもごえ)と呼ばれ、田畑にまく有機肥料としてリサイクルされていました。
多くの庶民が住む長屋は共同トイレとなっており、下肥を一カ所に集めることができます。
それを下肥買いと呼ばれる人々が購入し、その代金は大家の副収入となっていました。

このように江戸期の人々は、大切な資源を余すことなく利用することで、循環型社会を実現していたことがわかります。

■リジェネラティブ・エコノミー(再生経済)への道

リジェネラティブ・エコノミーとは再生経済という意味で、「自然界の5つの王国」(バクテリア・プロティスタ・きのこ・植物・動物)の住人すべてが一緒にコラボレーションしながら世界を作るために、一つの生産活動で生まれた製品やエネルギー、ごみなどは、すべて次のシステムの素材になるように仕組みを考えていくことです。
また、地域コミュニティにおける支え合いの仕組み、最小限の資源で心豊かに暮らしていく価値観への転換、一定の経済価値を生み出す仕組みの再設計などがセットで必須となります。

ということで、次回のセミナーは7月22日(祝)~23日(祝)「里山から学ぶEdonomy(Edo+Economy)の知恵」をテーマに、京都の里山への一泊ラーニングツアーとともに里山暮らしの方々との対談を企画しております。
ご期待ください!

この記事を書いた人

COS KYOTO株式会社

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