供養からはじまるものづくりと循環の思想 ーkotohogi fabric登壇レポート

2026年2月14日(土)、京都・長慶院を舞台に開催された布と衣をテーマにした1DAYイベント「布文化を寿ぐ祝祭」(kotohogi fabric)に、弊社代表の北林が登壇しました。

株式会社和えるの矢島里佳さんとのトークセッションに参加し、司会はアーティストであり僧侶でもある三浦祥敬さん。

テーマは「自然と人の関わり、社会における循環」です。

ものをつくる際に「供養」をデザインする

北林が対談で語ったのは、「供養」という概念をものづくりの設計に組み込むことの意味でした。

ものには必ず、終わりがあります。しかしその「終わり」をあらかじめ丁寧にデザインしておくことで、つくり手と使い手は継続的につながり続けることができる。そしてものを最後まで大切に使い続けることができます。

供養とは、ものの一生を完成させる知恵なのかもしれません。

また、特に「服」は、身にまとうたびにつくった人や素材を生み出した自然のことを思い出せる特別なものにもなり得ます。

糞掃衣(ふんぞうえ)*のように、様々な人の思いを経た生地でつくられたものが最高級とされてきた背景にも、そういった精神性があるのかもしれない——北林はそう語りました。

*糞掃衣(ふんぞうえ):人が捨てたボロ布を拾い集めて作った衣。仏道において最も清浄で尊いとされる袈裟。

陶器や布は、人をつなぐコミュニケーションツール

さらに対談では、陶器やテキスタイルという普遍的な存在についても触れました。国内外のあらゆる人が手にする機会があるこれらは、単なる道具ではありません。つまり、人の普遍性や、その背景にある自然・文化の特徴を知るきっかけそのものです。

そのうえで、仏教の布施や供養のように「つながり続ける」「大事に使い続ける」という精神性は、すでに日本の文化の中に深く根付いている。しかしその当たり前を、私たちはいつの間にか手放してしまっていないか——そんな問いが、会場に静かに広がりました。

足元にあるものを、捉え直す

参加者からは

供養の考え方を今こそ見直したい

自分たちの足元にあることを捉え直したい

という声が寄せられました。

COS KYOTOが探求するEDONOMY®(エドノミー)は、地域の知恵を現代に活かすことを問い続けています。

ものへの感謝、ありがたさを取り戻すこと。
それはまさに、自然・人・文化・産業の循環をつなぎ直すという、COS KYOTOの根幹にある問いと重なります。

布をまとうことは、祈りをまとうこと。
そしてその祈りは、つくり手から使い手へと、静かに受け継がれていきます。

この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

Photo credit: 小黒 恵太朗

この記事を書いた人

COS KYOTO株式会社