2026年2月24日(火)、Circular Economy Hubが主催する新イベントシリーズ「Refuturing(リフューチャリング)」の第1回に、弊社代表の北林が登壇しました。
テーマは「循環の歴史学。素材とごみと文化から再考する、関係性のサーキュラーデザイン」。
株式会社ごみの学校・代表の寺井正幸さん、モデレーターのハーチ株式会社・代表取締役の加藤佑さんとともに、歴史的視点から現代の循環経済のあり方を議論しました。
このメンバーは京都のサーキュラービジネスデザインスクールでのメンタリング活動などをご一緒したメンバー同士。今回、北林は「EDONOMY RADIO」、寺井さんは「ひらけごみ!」というポッドキャストをしている二人だからこそ、このテーマで聞きたいという登壇依頼でした。
ゴミはいつ生まれるのか
冒頭、加藤さんより3つの言葉の語源が紹介されました。
Material(素材)は「母なる大地」、Waste(廃棄物)は「耕作されていない荒れ果てた土地」、そしてCulture(文化)は「耕す」が起源。さらに、トーマス・ラウ氏の言葉「Waste is a material without identity(ゴミとは名前を与えられていない素材)」が紹介され、認識が価値を決めるという問いが会場に広がりました。
北林はこの視点をEDONOMY®の観点から深掘りしました。
ゴミとは人間との関係性が切れたときに生まれる概念である。
豆腐製造の副産物であるおからや豆乳も、認識次第でゴミにも資源にもなる。
つまり重要なのは「利用価値を見出せるか」という認識の問題に他なりません。
江戸時代は「究極の循環デザイン」だった
北林が紹介したのは、EDONOMY®が核心に置く江戸時代の循環の仕組みです。
着物は13メートルの布から無駄なく裁断され、最後は雑巾、灰、肥料へと姿を変える。し尿は経済価値を持つ肥料として取引され、大家が回収・販売できる「権利」として扱われていました。そして修理ができて初めて一流の職人とされた時代——それは廃棄という概念を持たない社会設計でした。
さらに北林は「供養」という日本固有の文化にも触れました。メガネ供養、針供養、筆供養⋯。
ものの「終わり方」をあらかじめデザインすることで、つくり手と使い手は最後までつながり続けることができる。
それは世界に広げられるユニバーサルな価値観であると語りました。

循環に「奥行き」を取り戻す
パネルディスカッションでは、現代のサーキュラーエコノミーへの問いが深まりました。
サステナビリティを目的にしない。その時代に良い商品・強いサービスをつくることが本質であり、利益率を真剣に追求すると、結果的にサーキュラーエコノミーに行き着く——北林と寺井さんが共通して強調したのはこの点でした。
また、認識を変えるには体感・体験が重要であるという点でも両者の意見は一致しました。
オープンサイトなど、ものづくりの現場を訪ねて背景を知る・感じる機会の創出。
プロセス全体を知ることから、初めて価値観は変わります。
COS KYOTOが探求するEDONOMY®(エドノミー)は、地域の自然・風土・暮らし・文化・産業が一体となって醸し出す価値を、現代のビジネスと循環型社会構築の基盤として捉え直す試みです。
過去の知恵を現代に翻訳すること——その問いをこれからも探求し続けていきます。
この度は貴重な登壇機会をいただき、ありがとうございました。
